郡山市「豊景神社」のフォトジェニックスポット「花手水」

「花手水(はなちょうず)」を知っていますか?
神社や寺にある手水舎の手水鉢に花を浮かべた物で、その見た目の鮮やかさから、最近はフォトジェニックスポットとしてSNSを中心に話題となっています。

私が花手水を知ったのは、SNSではなくテレビがきっかけでした。県内のホットスポットとして、神社の手水舎に、色とりどりの花が隙間なく浮かんでいる様子が紹介されていたのです。驚いたのはその見栄えの良さ。沢山の花がギュッと詰まっているのに、どこか涼しげで、落ち着いた雰囲気すら感じました。

近所の神社を調べてみると、富久山町の「豊景(とよかげ)神社」で見ることができると知り、さっそく行ってきました。

花手水を見るなら豊景神社

豊景神社は、県道355号須賀川二本松線沿いにあります。

鳥居をくぐると左側が手水舎。ここが花手水スポットになっています。
柄杓は置いてありますが、感染症予防の観点から現在は使用することができません。代わりにアルコール消毒液が置かれているので、まずはそれで手を清めました。

手水鉢を覗いてみると、アジサイが色彩豊かに並べられ、水に静かに浮かんでいました。SNSで見たどんな花手水の写真よりも、実物の花手水は瑞々しく鮮やかで美しかったです。

思わずいろんな角度から何枚も何枚も写真を撮ってしまいました。さすがフォトジェニックスポット。写真を撮らずにいられないし、誰かに自慢せずにはいられない見栄えの良さです。

今回使われていたアジサイは、境内で咲いたものだそう。普段は郡山市内の花屋さんが協力していて、春夏秋冬、季節に合わせた花手水を見ることができます。この取り組みは、昨年から実施しているそうです。

手水舎を見上げれば、七夕の飾りが。7月のテーマは「七夕」のようです。
神社といえば厳格な雰囲気が漂っていて、緑が茂る静かな場所がほとんどだと思います。
カラフルな色合いを見かける機会はそうそうないため、この花手水の存在は、どこかほっとする場所にも感じられました。

せっかくなので「夏詣」

花手水を見るだけでなく、もちろんお参りもしました。
1年の半分を節目として、7月1日以降に神社やお寺を詣でることを、最近は「夏詣」と言うそう。郡山に引っ越してきて半年、無病息災で過ごせたことへのお礼と感謝を伝えました。

こちらの御神徳は、五穀豊穣・身体健全・交通安全・諸願成就・学徳成就・武道成就・厄災消除・家内安全。
境内はお掃除が行き届いていて、朝の散歩ついでにちょっと寄りたくなるような、どこか拠り所にしたくなる暖かい雰囲気を感じました。

本殿の隣には「福原天満宮」と書かれた鳥居が。中には大きな撫で牛が手作りのマスクをして鎮座していました。花手水といい、訪れた人を和ませるのが上手な神職さんがいるようです。

重要無形民俗文化財の太々神楽

最近ではフォトスポットとして注目されている豊景神社ですが、こちらで奉納される「太々神楽」は福島県指定の重要無形民俗文化財に指定されています。境内の神楽殿もとても立派です。ここで、4月と10月の例大祭に28座の演目が演じられるそう。境内を歩いていると「神楽」についてわかりやすく書かれた看板もあるので、気軽に歴史を感じることができました。

豊景神社はSNSで、境内で見頃を迎えた草花や御朱印のこと、花手水の情報などを発信しているので、季節の花手水を逃さずに楽しむことができます。
花手水をきっかけに神社の歴史にも触れられ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

豊景神社
住所:福島県郡山市富久山町福原字福原1
アクセス:JR東北本線 郡山駅西口から車で10分
ご祈祷、ご朱印受付時間:午前8時〜午後4時

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。