金木犀の香りと心地よい風に包まれて。八千代市「ハミングロード」を歩く癒しの時間

忙しい日々の中で、ふと深呼吸したくなる瞬間はありませんか?
仕事に追われる日、家事に追われる日、気づけば季節の移ろいさえ見逃してしまいます。

そんなとき、少しだけ歩幅をゆるめて立ち寄りたくなる場所があります。
それは、八千代市の中心部を通る「ハミングロード」です。

秋の訪れとともに、道沿いに並ぶ金木犀が甘く香り、やわらかな風が頬をなでていきます。
香りに導かれるように歩けば、心の中にたまっていた小さな疲れやざわめきが、すっと軽くほどけていきます。

そんな穏やかな時間を過ごせる、まちの小さなオアシスです。

まちと人をつなぐ散歩道

場所は東葉高速線「八千代中央駅」からすぐ、駅を出て正面にのびる並木道がハミングロードです。

およそ1キロ続く遊歩道は、八千代市役所までをまっすぐにつなぎ、朝夕の通勤・通学の人々や、ベビーカーを押す家族連れ、犬の散歩を楽しむ人などでにぎわいます。

道はしっかりと舗装されており、車いすやベビーカーでも安心して通ることができます。

両脇には四季折々の木々が立ち並び、春は桜が淡く咲き誇り、夏には濃い緑が木陰をつくり、秋には金木犀がふわりと香る。冬の朝には白い息が静かにのぼり、木々の枝には小鳥がとまってさえずります。

ただ歩くだけで、まるで季節のアルバムをめくるような気持ちになる道です。

秋の主役は金木犀。香りが導く穏やかな時間

とりわけ秋の主役は、やはり金木犀です!

橙色の小さな花が木々いっぱいに咲き誇り、その甘くやさしい香りが風に乗ってあたり一面に広がります。
ハミングロードはまさに“香りの通り道”。

朝の澄んだ空気の中ではほのかに、夕方には少し濃く香り、日によって、時間によって、同じ道でも違う表情を見せてくれます。
立ち止まり、深呼吸をひとつ。心の奥に、ゆるやかな安らぎが広がっていくのを感じます!

誰もが安心して過ごせる、やさしい道づくり

この道の魅力は、自然だけではありません。
地域のボランティアの方々が日々花壇の手入れをおこない、季節ごとの花々を咲かせています。

春にはチューリップやパンジー、夏にはマリーゴールドが彩りを添え、冬にもビオラが小さな色どりを残してくれます。

その一つひとつの花に、手をかけた人の思いが宿り、歩く人の目と心をやさしく潤してくれます。

ベンチも等間隔に設けられており、散歩の途中で腰を下ろしてひと息つくこともできます。
ベンチに座って行き交う人々を眺めていると、老若男女さまざまな表情が見えてきます。

買い物帰りの親子、ジョギングを楽しむ若者、ワンちゃんとゆっくり歩くご年配の方。
それぞれの一日がこの道を通って交差し、まちに小さな物語を生み出しているようです。

散歩の合間に立ち寄りたい、公園

道の途中には「ハミング通り公園」もあり、こどもたちが元気に遊ぶ声が響きます。

ブランコやすべり台のそばでは、ベンチに座って談笑する親たちの姿も見られます。
木々の間を抜ける風と、子どもたちの笑い声がまざりあい、どこか懐かしいぬくもりを感じます。

地域とともに息づく、やさしい時間

そして何より、この道を支えているのは地域の人々です。
花壇の水やりや清掃活動をおこなうボランティア、季節ごとの飾りつけを楽しむ市民の方たち。

「自分たちのまちは、自分たちの手で守り、育てていく」そんな思いが、この穏やかな空気を形づくっています。
朝夕に交わされる「おはよう」「こんにちは」という挨拶が、まちの人のつながりをそっと紡いでいるのです。

金木犀の香りに包まれながら歩くハミングロードは、誰にとっても心を整える“やさしい道”です。
ほんの数分歩くだけでも、昨日より少し穏やかな気持ちになれます。
そんな場所が暮らしのすぐそばにあることこそ、このまちの豊かさなのかもしれません。

今日もまた、やさしい風が吹き抜けていきます。
香りに誘われて歩きながら、ほんの少し、深呼吸してみませんか?

ハミングロード
住所:千葉県八千代市ゆりのき台~萱田町付近(八千代中央駅~八千代市役所間)
アクセス:東葉高速線「八千代中央駅」から徒歩約5分
駐車場:近隣にコインパーキングあり
全長:およそ1km

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。
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なるえ
なるえ
八千代市で長く勤め、地域の方々とつながりながら歩んできました。これからも地元を大切にしていきます。