泉区を車で走っていると、山あいに巨大な白い観音様が立っているのが見えます。
それが、仙台市を見守る「仙台大観音」です。
遠くから眺めたことは何度もありましたが、実際に仙台大観音の中に入ったことはなかったので、このたび拝観してきました。
想像していたよりも見どころが多く、外からではわからない、不思議な空間が広がっていたのでご紹介します。
泉区実沢にそびえる高さ100mの仙台大観音

仙台大観音の正式名称は、仙臺天道白衣大觀音(せんだいてんどうびゃくえだいかんのん)といいます(以下、仙台大観音)。
真言宗智山派の新界山大観密寺(しんかいざんだいかんみつじ)という寺院にまつられています。
像の高さは100m。仙台市制100周年を記念して、この高さになりました。地下も21mあると聞くと、そのスケールに驚かされます。
下から見上げると、白い観音様が空に向かってまっすぐ立っていて、首が痛くなるほど見上げても、全体が視界に収まりませんでした。
泉区実沢の高台にあり、最寄り駅はJR仙山線の国見駅です。そこから車で約10分の距離にあります。駐車場は普通車が200台停められるほど広く、停める場所に困りませんでした。
電車とバスで向かうなら、仙台駅前から市営バスで向かうと分かりやすいと思います。乗り換えは必要なく、仙台大観音前で降りるまで約30分です。
十二神将と三十三観音が迎えてくれる1階
胎内拝観料は500円で、中学生以上が対象となります。
仙台大観音内の1階には、十二神将と三十三観音が並びます。十二神将は十二薬叉大将(じゅうにやくしゃだいしょう)ともいい、天衣甲冑をつけた武将の姿で、十二支それぞれの守護神とされています。
つまり、自分の生まれ年に対応する神将が、必ずいるということです。

像は花梨材の木造で、中国広東省の工芸師が手がけたと記されていました。私の生まれ年である卯年の守護神は、摩虎羅大将(まこらたいしょう)。炎のように逆立った髪と見開いた目に、思わず足が止まりました。
家族で訪れるなら、それぞれの干支の神将を探して回ることも楽しめると思います。
地上68mの12階から見渡す仙台のまち

1階を見終えたあとは、エレベーターで一気に12階まで上がりました。扉が開いた瞬間、展望窓の外には仙台の街並みを一望できる景色が広がります。

壁の案内には、12階が地上68m、海抜249mだと書かれていました。像全体の高さは100mなので、仙台大観音の肩ほどの高さから外を眺めていることになります。
普段から使っている仙台駅や、青葉城跡もはっきりと見えます。泉区の見慣れた施設を見つけられたときは、思わず声が出そうになりました。
このときは蒸し暑かったのですが、胎内はひんやりとしていて快適な空間でした。汗が引いていくのを感じながら、しばらく外の景色を眺めてしまいました。
階段を下りながら拝む108体の百八胎内佛

景色を楽しんだあとは、階段をくだりながら108体の仏様を拝むことにしました。この108体は、百八胎内佛(ひゃくはちたいないぶつ)と呼ばれています。
人がこの世で抱える煩悩の数が108あるとされており、1体ずつ拝みながら煩悩を打ち払ってほしい、という願いが込められているそうです。
仙臺天道白衣大觀音はもちろん、千手観音や薬師如来のように、名前を聞いたことのある仏様も多く並びます。それぞれにどのような役割やご利益があるのかが、丁寧に説明されていました。
親しみやすく印象的なポーズをしている仏様

初めて見た仏像のなかで、いちばん印象に残ったのは陀羅尼菩薩(だらにぼさつ)です。片方の腕を頭の上まで振り上げ、右足を高く上げた躍動的な姿をしています。
説明書きには、決められた所作をすると陀羅尼菩薩の通力を身体で感じられるとありました。その場ですぐに試してみたのは、言うまでもありません。
のぼりはエレベーターですが、くだりはひたすら階段が続きます。小さな子どもや足腰に不安のある方にもやさしく、途中にはベンチがいくつも置かれていました。自分のペースで休みながら回れるので、あせらずゆっくり拝観できますよ。
大観密寺で護摩木に願いを込める

胎内を出たあとは、大観音の裏手にある新界山大観密寺へ向かいました。ここでは護摩木を納めることができ、初穂料は200円です。細長い木札に願いごとを書いて納めました。
私が書いたのは商売繁盛。
筆を持つと、ふだんは口に出さない願いが素直に言葉になりました。
季節を変えてまた見上げたい白い観音様

今回、拝観にかかった時間は40分ほど。1体ずつじっくり見て回るなら、1時間近くかかると思います。
体力に合わせて時間を調整できるのは、家族連れにもうれしいポイント。
遠くから眺めるだけだった観音様が、拝観を終えたあとは急に身近に感じられました。
泉区に暮らしていても、中に入ったことのない方は意外と多いのではないでしょうか。
季節によっても楽しめる景色が変わってくると思いますので、次は空気の澄んだ季節に12階からの景色をあらためて眺めに行くつもりです。
ぜひ「仙台大観音」で、胎内めぐりと絶景を楽しんでみてください。
仙台大観音
住所:宮城県仙台市泉区実沢字中山南31番地の36
アクセス:JR仙山線「国見駅」から車で約10分
JR仙山線「仙台駅」から市営バスで約30分「仙台大観音前」下車、バス停から徒歩約5分
TEL:022-278-3331
拝観可能時間:平日 10:00-15:30、土日祝祭日 10:00-16:00(最終入場はともに30分前)
拝観料:中学生以上500円
休観日:無休
駐車場:あり(普通車200台程度)
備考:拝観時間などは変更となる場合があるため、お出かけ前に新界山大観密寺へご確認ください。

















