季節の花や風景、自然の風情を形で表現する和菓子は、五感で楽しむことのできる食の芸術です。春の桜餅や草餅にはじまり、夏の水羊羹、秋の栗きんとん、そして冬の苺大福と、四季折々の味わいが私たちを楽しませてくれます。
和菓子を愛する人にとって、季節のうつろいを感じるひとときは、何よりの贅沢といえるでしょう。
そこで今回は、おいしい和菓子を求めて、仙台市太白区にある「和菓子処たむら」を訪ねてみました。
長町南駅からすぐ。地元で親しまれている和菓子店
春のあたたかい日差しが心地よい中、散歩気分で歩いて行くとお店に到着します。

「和菓子処たむら」は仙台市地下鉄南北線「長町南」から徒歩で約12分。閑静な住宅街の中にあるマンションの1階に店を構えています。
建物の壁面に溶け込むように掲げられた控えめなロゴと、「和菓子処たむら」の店名が落ち着いた雰囲気を演出しています。
平成元年にオープンし、今年で創業38年目を迎える老舗。長年にわたり地域の人々に愛され続けてきた信頼と実績のある人気店です。

入口右手には豆大福、草大福、だんごなどと書かれた大きなお品書きが貼ってあり、ひと目で和菓子屋であることがわかります。
お店はご兄弟で営まれており、「おいしさに心をこめて」をテーマに、ひとつひとつ丁寧に作り続けています。
昔ながらの定番商品から、遊び心あるオリジナル和菓子まで並び、訪れるたびに新しい発見と喜びを届けてくれるすてきなお店です。
ショーケースに並ぶ華やかな和菓子

お店に入ると目の前のショーケースには、色とりどりの和菓子が美しく並びます。定番の「豆大福」をはじめ、この時期ならではの「道明寺」や「柏餅」など、季節を感じる品々が目をひきます。
すでに売り切れ、残り少ない和菓子もあったので、出かける際は早目がよさそう。お店は午前10時にオープンします。
「できたてのおいしさを届けたい」という思いから、和菓子は毎朝手作りされています。だんご類が108円、饅頭類が140円からと、手に取りやすい価格帯も魅力です。

また、「和菓子処たむら」では、お茶会用の「茶菓子」の注文も多く受けているそうです。見た目はもちろん、味わいも格別で、食べるのが惜しくなるほどの繊細さ。
味覚と視覚の両方で楽しめる「和菓子処たむら」の茶菓子は、茶席に花を添えてくれるでしょう。

さらに切り餅の販売もおこなっています。量産品では味わえない、職人の技と素材の贅沢さを味わえる一品で、家庭で焼いたりアレンジしたり、さまざまな楽しみ方ができます。
定番と季節の和菓子を味わう

この日は店内にはおよそ10種類ほどの和菓子が並んでいましたが、その中から「豆大福」、「道明寺」、「柏餅」の3種類を購入しました。見るからにおいしそうで期待が高まります。
どれも大好きな和菓子なので、味わうのを楽しみにしながら家路につきました。

さっそく味わってみました。まずは「和菓子処たむら」の定番人気「豆大福」から。小ぶりなサイズながら、おどろくほどやわらかくなめらかなお餅の中には、粒あんがたっぷりと詰まっています。
あんは甘さ控えめで、あずき本来の豊かな風味を存分に堪能できます。さらに、程よい塩気のある豆がアクセントとなり、あんの甘さとのバランスが絶妙に調和する一品でした。

次は「道明寺」。春を感じる見た目も上品な和菓子の一つです。
つぶつぶとした道明寺粉の食感と、もっちりとした粘りが特徴的です。上品な甘さのあんこに、桜葉の塩漬けの香りとほどよい塩気が重なり、春らしい味わいを楽しむことができました。

そして、端午の節句に欠かせない「柏餅」。大きな柏の葉につつまれたお餅には、「こしあん」と「味噌あん」の2種類がありますが、私はこしあんを選びました。
弾力のあるお餅と、なめらかなこしあんのバランスが抜群。柏葉のさわやかな香りがふわりと広がり、季節感を一層引き立ててくれます。
「和菓子処たむら」の和菓子は、全体的に素材の持ち味を大切にした、上品でやさしい甘さが印象的です。華やかさの中にもどこか懐かしさがあり、何度でも食べたくなる味わいです。
繊細で美しい和菓子を通じて、日本の四季の豊かさと、職人の丁寧な仕事ぶりを感じることができます。
お茶請けに、あるいはちょっとした手土産に和菓子を味わいたくなったときは、ぜひ「和菓子処tたむら」を訪れてみてはいかがでしょうか。
きっと、心まで満たされるひとときに出会えるはずです。
和菓子処たむら
住所:宮城県仙台市太白区長町南4-12-25
アクセス:仙台市営地下鉄南北線「長町南駅」から651m
TEL:022-248-8988
営業時間:10:00-17:00
定休日:年中無休
駐車場:あり


















