「ねえねえ、辺田町にパン屋さんがあるって知ってた?しかも、すごくおいしそう!」
ある日実家に住む母が、ウキウキしながら「PAISIBLE(ペジーブル)鎌取店」と書かれたチラシを見せてきました。
地図を見ると、森やゴルフ場、病院のイメージしかなかった場所です。いったいどんなパン屋さんがあるんだろう?そう思い、すぐに足を運んでみることにしました。
今回は自然に囲まれた隠れ家のようなパン屋さん、ペジーブル鎌取店を紹介します。
鎌取駅から車で約4分!自然の中を進もう
ペジーブル鎌取店があるのは、山が広がる鎌取駅の北口側。
昔ながらの自然が色濃く残る、辺田町(へたちょう)にあります。
まずは大網街道をくだり、「下総精神医療センター入口」の交差点を左手の道へ進みます。道沿いに左へカーブすると、いよいよ森へ。

袖ヶ浦カンツリークラブの看板を目印に右折して少し進むと、「焼きたてパン」と書かれたのぼりが見えました。

ここまで鎌取駅から、自転車でゆっくりめに走って約8分。車なら4分ほどの距離です。左手の小道に沿って、さらに奥へと進みます。
まるでミニチュアの世界!隠れ家のようなパン屋さん
ペジーブルがあるのは、奥の建物の1階です。

空が広く見渡せるウッドデッキや、キレイに手入れされた庭が広がります。
通りからは見えづらいので、「知る人ぞ知るパン屋さん」という感じがしますね。
さっそく中に入ってみましょう。

建物に入ると右手に、オシャレなパン屋さんが姿をあらわしました。

店内は、洋風なタッチの壁紙にペンダントライト。
ミニチュアのようなかわいらしさで、まるでここだけ別世界のようです。

辺田町にこんなにステキなパン屋さんがあったなんて!驚いてしまいました。
壁に沿って作られたテーブルには、パンがズラリと並びます。

木のぬくもりが温かい雰囲気で、なんだか優しい気持ちになれます。
いろいろな形のパンがあるのですが、どのパンも丁寧に成形されていて、こだわりが感じられます。

手に取りやすい100円台のパンも多く、うれしくなりました!

店員さんに「焼きあがった時の香りが最高なんですよ!」とおすすめいただいたのは、新商品のBerry Bread(ハーフ)。イチゴ風味のふわふわ生地に、ブルーベリー・クランベリーのジャムをたっぷり入れたパンだそうです。おいしそう~♪
この日はちょうど「夏のグルメパンフェア」が実施中で、さっぱりと食べやすそうなパンや夏野菜を使ったパンが店頭に並んでいました。季節限定のパンって、ワクワクしますよね。
さらに冷蔵コーナーには、ボリュームたっぷりのBLTサンドやチキンフィレサンドを発見。

シフォンケーキやタルト、クッキーなど軽めのお菓子も揃っていました。
一度では制覇できないほど種類が豊富です。
ペジーブルのオリジナルパンをいただきます♪
気になったパンを、さっそくランチにいただきました。

右上からダンベルコン、グリル野菜のウィンナー、デザートにchou chou(レモンクリーム)の3点です。
まずはグリル野菜のウィンナー。ふわっふわの生地に、グリルされたパプリカやズッキーニなどの野菜がたっぷりのっています。肉も野菜もパンも食べたい、私のような欲張りさんにぴったりのパン。ペロリと食べてしまいました。
見た目の面白いダンベルコンは試作から偶然生まれて、これは面白い!と商品化にいたったのだとか。

食べてみると、なんとパンの中にはクリーミーなガーリックポテトが!
生地はもちふわで優しい味わいです。ベーコンの塩っ気もおいしく、一番のお気に入りになりました♪
デザートにはレモンクリームが入ったchou chou(シュシュ)。瀬戸内産レモンを使用しているそうで、まるでお菓子のようなさわやかさです。

甘酸っぱいクリームに疲れがふっとびます。
おいしいだけでなく、驚きや面白さのあるパンに、楽しいランチタイムが過ごせました。
就労支援の場でもあるペジーブル鎌取店
ペジーブル鎌取店は、社会福祉法人ワーナーホームが運営する「ワークショップ鎌取」内にあります。
というのも、実はペジーブル鎌取店は就労継続支援B型事業の施設。
パン作りを通して、主に精神障害などコミュニケーションや地域生活に支援が必要な方が、社会復帰に向けて訓練をおこなっているパン屋さんなんです。

改めてワーナーホーム施設長の野老さんと、パンの製造と指導をおこなう店長の藤平さんにお話を伺いました。
ペジーブルを開業したのは「障害者の地域生活への第一歩と共に、パンを求めに来る方で地域を活性化したい」という想いがきっかけだそうです。
建物は、下総精神医療センターの准看護学校の校舎と寄宿舎だったとのこと。
「この場所にお客さんを呼ぶために、いろいろなパンを作っています。人数が多いので、パンはもちろんお菓子なども分担してたくさんの種類を作れるんですよ。手頃な値段でおいしいパン、というのがペジーブルの魅力です」
そう話すのは、クシャッとした優しい笑顔が印象的な藤平さん。藤平さんはこれまで約30年、パン職人としてパン作りに携わってきたベテランなのだそう。
「利用者さんはとても作業が丁寧。同じ作業を何時間続けても、絶対に手を抜かない。数十年パン作りをしている私も身が引き締まりますよ。パンのクオリティーの高さは、そのへんのパン屋さんには負けません!」そうお話ししてくださいました。
ペジーブル鎌取店はオープンして約10年になるそう。少しずつみなさんに知ってもらえることが増えてきました、とおふたりともうれしそうにお話されていました。
ペジーブル鎌取店は、森の中にたたずむ優しさあふれるベーカリー。
店内にある、利用者さんが作成したかわいいポップやイラストも必見です!
みなさんも、ぜひ足を運んでみてくださいね。
PAISIBLE鎌取店
住所:千葉県千葉市緑区辺田町605-2
アクセス:JR外房線「鎌取駅」から車で約4分
TEL:043-312-1141
営業時間:10:00-16:00
定休日:土曜日、日曜日
駐車場:あり